相模湾の海水準と宇宙―人文学

「相模湾の海水準変動」

2012年までの3年間、京都大学・こころの未来研究センターによる「日本の聖地文化と寒川神社と延喜式内社研究」の共同研究に参加しました(研究代表・鎌田東二教授)。 私が担当した分野は、縄文時代から江戸時代後期にいたるまでの、相模湾の海岸線を、衛星データによって推定することでした。 「寒川神社」は、なぜそこに建立されたのか。神社の立地には、歴史的にも宗教学的にも、そして自然科学的にも深い理由があることはいうまでもありませ ん。それらについては、研究成果をまとめた「日本の聖地文化」(鎌田東二編 創元社)述べられています。

「相模湾の海水準変動」は、現在の寒川神社の立地について、文字どおり海水準の変動との関係という視点に立ち、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の ALOS(陸域観測技術衛星「だいち」)によって獲得されたデータをもとに取り組んだものです。これにより、寒川神社は「なぜそこに建立されたのか」 を考えるうえで、大きなヒントを提供できたと思います。また、「日本の聖地文化」の発刊時には間に合わなかった海水準変動の可視化データも、本サイト に掲載いたしました。

より正確な海岸線の復元には、地域ごとの細かい地殻変動を加える必要があります。(本サイトでは、まずは全体像の確認をすることを優先し、細部の地殻 変動は考慮していません)    今後は、さまざまな研究分野のみなさんの協力をえながら、こうした可視化の技術をもとにして、日本の各時代における海岸線がヴィジュアルに確認でき るようにしてゆきたいと考えています。



「相模湾の海水準と宇宙-人文学」 中野不二男 (PDF ファイル 11.9MB)

縄文時代中期の相模湾 18m (原寸ファイル)

西暦500年頃の相模湾 8.0m (原寸ファイル)

西暦700年頃の相模湾 7.0m (原寸ファイル)

西暦1000年頃の相模湾 5.2m (原寸ファイル)

西暦1850年頃の相模湾 5.0m (原寸ファイル)